HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

死者の国の色鮮やかさ「ティムバートンのコープスブライド」

死者の国の色鮮やかさ

「ティムバートンのコープスブライド

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あらすじはアニメーター出身の鬼才ティム・バートン監督が、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『ジャイアント・ピーチ』に引き続き挑んだブラックユーモアたっぷりのファンタジーアニメ。声優陣には、ゴールデンコンビとして知られるジョニー・デップや監督の妻でもあるヘレナ・ボナムカーターらを迎え、人間とゾンビの奇妙なラブストーリーを描く。全編をとおして昔ながらの「コマ撮り」で撮影された映像は、最近のアニメーションにはない深い味わいがある。恋人のビクトリアと結婚間近のビクターは、間違って別の女性と結婚の誓いをしてしまう。しかもその女性はすでに死んでいて……。引用元 シネマトゥデイ


物語は政略結婚させられようとしている二人の最後の晩、夫側が翌日の式典での台詞を練習している最中、つい指輪を木だと思ったところにはめたらそれは死者で婚姻の証として受け取られたところから始まる。


まず始めに生者も死者もデザインセンスが抜群に良い。リアリティとはかけ離れたアニメーションだからこそできるビジュアルをしているがそこがたまらなく素敵だ。


そして、死者との婚姻という摩訶不思議な題材を本気でやってのけているのが凄い。

普通なら発想まではしても実践しようとは決して思わないテーマを本気で挑んでいる。

 

ここで描かれる死者の国が本当に面白く、愉快でいわゆる死者の暗いイメージとはかけ離れた存在なのもユニークで面白い。ティムバートンワールドの一端を見た気がする。


また、時代背景的に恋愛結婚が主流ではなく政略結婚がまだ根強い時代というのも物語に重要な要素だ。


主人公の夫側の方は最初はてんやわんやで何が起こったのかもよく理解できていない状況から、とにかく逃げ出そうとするが、ここでのリズミカルな死者の国の解説が見事だ。


また、本作は77分とかなり短く、展開が詰め込まれているが、それが気にならないテンポで進むから面白い。


敵役が誰かというのも一瞬でわかるのはお約束としても、その結末が案外グロテスクでティムバートンらしいブラックな側面もきっちり用意されている。


そもそも全面的に死体だらけの画面で構成され、ブラックなジョーク連発な時点で、かなり子供向けではないのかもしれないが、終わり方は驚くほど綺麗だった。


あの月のショットと前にあった台詞とが綺麗に重なり、悲壮感を感じさせない作りになっているのも良い。


ティムバートン的には何だかんだあったがハッピーエンドということなのだろう。(後始末がかなり大変そうと思うのは私だけでは無いと思うが)

実話という強力さ! 「LION/ライオン〜25年目のただいま〜」

実話という強力さ!

「LION/ライオン〜25年目のただいま〜」

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あらすじインドのスラム街。5歳のサルーは、兄と遊んでいる最中に停車していた電車内に潜り込んで眠ってしまい、そのまま遠くの見知らぬ地へと運ばれて迷子になる。やがて彼は、オーストラリアへ養子に出され、その後25年が経過する。ポッカリと人生に穴があいているような感覚を抱いてきた彼は、それを埋めるためにも本当の自分の家を捜そうと決意。わずかな記憶を手掛かりに、Google Earth を駆使して捜索すると……。引用元 シネマトゥデイ

 

実話という最強に卑怯な方法で、涙腺を崩壊させるタイプの映画。(ジャンルとしてはいつも泣かされるから嫌いな分類に入る)


最初のオープニングの俯瞰ショットから丁寧に伏線が張られてあり、丁寧に泣かせにくる。どいうオチになるのかはこれが実話だというから分かっているが、とにかく感動の押し売りが続く。これがダメな人はダメだろうが私には分かっていても耐えきれない内容だった。


特に子役の演技が上手すぎる。孤独感の演出と泣く力すらない弱りきった目といったら・・・あまりの演技の質に驚かされる。子役をうまく使っている映画にハズレは少ない。


そして、インドのいうか第三世界の貧困のリアルがなんともまあキツイ。(この映画の為に、時代劇のようにセットを作ったワケではないだろうし・・・)


他にもダンボールの演出やスプーンの使い方も演出的に上手い!こういう細かい演出が重要になってくる。


また、「母親」「ママ」とのなんとも言えない空気感が素晴らしい。やはり子供には母性が強いのか?(父親は目立たなかったな〜)


また、この作品での最強の存在!

「グーグル・アース」

ただただ凄まじい科学進歩!ある意味恐ろしいが、科学技術の真の意味での活用方法が見事だ。ただそこから兄の話につながっていく時にフィクションであってくれと本気で思ってしまった。


そして、最後のタイトル!!!

『「LION」』

 

これで完璧にオチている作品で、素晴らしいとしか言いようがない。これで感動するなという方が私には難しい。

 

一気に回収される伏線といい、素晴らしい。

思い出の中にある幸せを追い求めるこの感じが何とも言えず、素晴らしく見事だ。

 

こんな不幸な話があってたまるかとも思うが、そこに科学技術が入り込んで見事解決するが、綿密な計算の元成り立っているこの感じはかなり好みで、普通なら諦めるところをなんとか一本の光の道筋に頼る物語だった。

伝説の短編集再び! 「浅野にいお短編集 ばけものれっちゃん/きのこたけのこ」

伝説の短編集再び!

「浅野にいお短編集 ばけものれっちゃん/きのこたけのこ」

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浅野にいおと言えば有名漫画家だが、久々に短編集が発売された。そして出来栄えも相変わらず人間の奥底に眠っている嫌な感情を逆なでするようなものばかりだ。

 

表題作である。ばけものれっちゃんはスクールカーストをもろに打ち出した異常な作品であるし、読んでいてその絵のうまさも相まって精神的にえぐられてくる。

 

もう一つの表題作であるきのこたけのこは某お菓子メーカーのジョーク戦争を現実化したもので、かなりの迫力がある。パロディの域を軽く超えている。かなりきつい内容なっている。

 

浅野にいおという人物が作る作品全体に言えるが、凄まじい画力とともに内容の奥深さが合致している。

 

このなかでかなり可愛らしいのはふんわり男というサントリーとのコラボ企画で三度違った内容で味わえる作品があり、読むごとにモノローグの抜き差しが変わり、印象がガラリと変わると言うのでこれはブームにはならなかったが、新たな漫画技法のひとつとして良く出来ていると思う。ふんわり男の精神性が最後まで見えないのが何とも言えず面白いし、結論もあっけなく終わるのも悪くない。

 

そしてとしのせという作品が何とも言い難い内容で、甘えられる最後の年というか大人と子供の境目のワガママに付き合うこの感覚が愛おしい。可愛らしい一作だった。

 

誘蛾灯という作品も言いたいことが言えない感じがすごくする作品で、田舎と都会での差みたいなものを強く感じた。

 

Dについてはノスタルジックの塊で良い悪いでは語れない内容だった。

 

さよならばいばいはこの年齢で兄弟のあり方を再提示してみせるなかなかいにおさんらしい痛い作品で好みだった。ちょっと読んでて苦しいぐらいがこの人らしい。

 

TEMPESTは老人ディストピアものだが、ここまで露骨ではないにしろ今まで色々な媒体で書かれてきたものの集合体であったので、そこ設定は印象には残らないが、やはり画力の面で素晴らしさを感じずにはいられなかった。

 

夏の匂いは魔法少女を二度殺すは主人公の嫌なリアリティとチャラいもの彼と、ああもう読んでいて痛々しさが伝わってきて、辛かったが良かった。

 

最後にひまわりだが、ちょっと昔の設定だが、これまた苦しい。失った悲しみは八つ当たりでは消えることはなくてでもどうしようもない感じがただただ悲しい作品だった。

 

総論として浅野いにおという作家は優れた才能を持っているが、精神が不安定な時に読むべき作家では絶対にないということが再認識させられた。かなりきついものがある作家だ。露悪的趣味満載と言ってもいいだろう。

 

 

 

奇跡は確率的に起こるもの? 「あなたに降る夢」

奇跡は確率的に起こるもの?

「あなたに降る夢」

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あらすじはN・ケイジが本領の、人が良過ぎて損をする性格不器用な人物を好演する、実話を基にしたハートウォーミング・コメディで、共演はB・フォンダ。妻の言いつけで宝くじを買った警官(ケイジ)がウェイトレス(フォンダ)にチップの代わりとして宝くじの折半を申し出る。ところがその宝くじが本当に当たってしまい……。引用元 allcinema ONLINE

 

宝くじをチップの代わりにして、支払ったら本当に当たっていたという話。正直、ある程度実話だと聞いて驚いた。だが、正確に調べるとだいぶ違う。特に奥さんがいるかどうかが違うところ。


根本のところは実話であり、人間の誠実さが感じられるという素晴らしい内容で、ゲスの勘ぐりをしてしまう自分に喝を入れなければいけないと思うほどだが、この作品の後半にも喝を入れたい。


正直感情移入出来るのは誠実紳士な主人公ではなく、人間味に溢れた弱さに溢れた妻の方だ。彼女の言い分は一理は確かにあり、彼女がいなければこの奇跡は物語的に起こっていない。


夫婦間が冷めていたとしてもやって良いことと悪いことの区別を付けたいと思うのは本音だろうし、勝手に夫婦の共有財産から200万ドルもの大金を渡すのは許せないと思っても仕方ないだろう。(生涯年収をポンと勝手な約束で渡したら離婚ものなのは当然だと言える)


また、主人公が良い人というフィルターを強制的に押し付けてくるが、そこまで良い人に見えない。偽善的とも言える。最低でも金銭面では寄付魔と言われるほど疎いのが伝わってくる。


また、ヒロインが可愛いのは良いが、物語的にほぼどの地点でも離婚しきれていないように取れるし、この金目当てとは言え夫がいる段階でそういう関係になっているのが何とも筋が通っていない。たしかに苦労人だが、それだけだ。


また、映画のラストの結末が正直言って納得がいかないのが大きい。あの新聞社の仕組んだことというのは分からなくはないが、そこまで素晴らしいと言える関係と慈善家だっただろうか?


最低でも、二人は真実の愛とやらは手に入れられたわけだしここまで奇跡が起こる必要性があったのか?それもたった一枚の写真で……


結論として、話の前半部分が実話だと言えるので、何も言えず人間とは信じるに値する素晴らしいものと言えるが、映画独自の要素を加えた事で何とも言えないものに仕上がってしまった。

ディズニーと自閉症の物語 「ぼくと魔法の言葉たち」

ディズニーと自閉症の物語

「ぼくと魔法の言葉たち」

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あらすじはサスカインドの次男オーウェンが2歳から言葉を失い、コミュニケーションが取れなくなってしまった。オーウェンが発するモゴモゴとした意味不明の言葉の正体が、彼が毎日擦り切れるほど見ていたディズニー映画「リトル・マーメイド」に登場するセリフであることに気づいた父ロンは、息子の好きなディズニーのキャラクター、オウムのイアーゴのぬいぐるみを手に取り、身を隠しながらオーウェンに語りかける。父の問いかけに言葉を返すオーウェン。その時、オーウェンは7歳になっており、5年ぶりに耳にした息子の言葉に涙をこらえながら、両親はディズニー映画を通じてオーウェンの言葉を取り戻すための作戦を練る。引用元 映画.com


主人公は自閉症のドキュメンタリーだが、なかなか面白い工夫が重ねてある。主人公はディズニーマニアで、自閉症特有の拘りのようなものをディズニーに見いだすことで、周囲と交わっていく。


ここで、あの権利に厳しいディズニー側がかなりの映像提供をしているのに驚いた。やはり世界屈指のファンタジーを見せる会社だけあって、こう言った事柄へは堂々たる振る舞いをしている。


単純に自閉症とディズニーとの関係性だけでもかなり見所があり、ディズニーに熱中する事で人との触れ合いに近づいていく過程など素敵だ。最初に言葉が出なくなってから、そこから長い年月がたって最初に出た単語がアレというのも何とも運命的な物を感じる。


それと大人になるという事、自閉症の自分が自立するという事がかなり真面目に描かれていて、素晴らしい。ガールフレンドとの交流や大人になるに従って覚えないといけないことの数々が自閉症じゃなかろうとも苦労するポイントをどうドキュメンタリーで描くか……


簡単な事ではないが、やはりアメリカ先進的試みも試している。周りの補助があってだが、一人で生きていけるすべを身につけているのが何とも画期的に見えた。


ディズニーという軸を中心に物語は着実に前に進む様子はかなり素敵だし、幼少期の出来事の数々が魔法のようで何とも言えず魅力的だ。


なにかに熱中したからこそ得れた能力を世間で活かす構造はとても先進的で優れているように感じる。


自閉症というフィルターは無くなりはしないが、違和感なくそれがそこにあるものとして受け止められるものになっていく様子は素晴らしい。


自閉症の人が孤独でいたいというのは間違いだというメッセージも素敵だった。確かに彼のメッセージはマイノリティの叫びかもしれないが心打つものがあった。優れたテーマを扱ったドキュメンタリー作品に感じ取った。(このタイトな上映時間も良い)

良い意味でB級の映画! 「トレマーズ」

良い意味でB級の映画!

トレマーズ

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あらすじはネバダの砂漠地帯にある小さな田舎町に突然出現した未知の生物。地中を自在に移動する巨大な蛇状モンスターと住民の攻防が、白昼の下で展開される。「JAWSジョーズ」のプロットを使った作品は数限りないが、地表を波立たせて襲い来るこのモンスターは文字通り“陸のジョーズ”で、映画の出来も本家に迫るものがある。引用元 allcinema ONLINE


良くも悪くもB級の作品。かなり雑な作りだが、それでも特有の味わいがある。例えば最初を除いての頭脳戦。音を行動原理に動いていることから発生する戦略は見事。


多少、御都合主義に見えても悪くない。それに加えて、敵のビジュアルがかなり気持ち悪いのも加算点だ。こう言った映画にふさわしいルックスをしている。


敵の特徴が分かってから始まる殺戮のゲームは人間側が有利になりすぎない絶妙のバランスで行われ、確かに馬鹿っぽく見えるがかなり面白いバランスで作られている。


特に敵陣営の音に対して動くというのは画期的で、見た目だけでもかなりの面白さを作り出している。こう言った映画ではそれ以上を求めるのは難しいのにルックス以上をやってのけるから単純に嬉しい。


怪物が少々馬鹿に見えるが、戦略で対峙した感じが強くするから悪くない。


敵の強さの指標に独自の手法をいくつも取り込み、観客に納得させてくる感じもなかなか良い。車を地中まで埋めてしまうというのはなかなか迫力があった。


それでいて、敵との戦闘が馬鹿だがカッコよく行われ、見ていてスッとする演出をしている。この人間がギリギリ勝てるライン作りが設定を生かす上で重要になってくる。銃が効くか効かないかというのがこの手の作品には重要なリアリティラインになるが、きっちり効果があるが……というのは見事なバランス。銃は地表面に現れたら意味があるが、地中では当たらないというバランスがなんとも言えないし、触手の部分と本体が分かれているのも意味がある。


最後に終わり方だが、王道的な終わり方故に、評価しにくいが、こういう作品で、下手に難解なバットエンドをもらうより、このくらいお気楽なエンドの方が似合う。結論として悪くない一作だった。

 

今後、シリーズは続いていくが、どこまでが正統続編かわからないという良くあるB級映画のお約束を果たしている本作。ただ、やはり原点はなかなか面白い内容になっている。

殺し屋と少女の物語 「レオン」

殺し屋と少女の物語

「レオン」

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あらすじはニューヨークを舞台に、凄腕の殺し屋レオンと12歳の少女マチルダの純愛と戦いを描く。大都会の片隅で出会った孤独なふたりの葛藤と壮絶なアクション・シーンがほどよくブレンドされた佳作だが、その功績は朴訥だが頼もしいJ・レノと繊細でいてたくましいN・ポートマンの二人の魅力に負うところが大きい。

引用元 allcinema ONLINE


出会ってはいけない二人の物語。最初っからある意味歪な構造なまま物語は進んでいく。最悪の親子関係を送る少女マチルダの元に麻薬取締局が乱暴に日常を破壊していく。それから、殺し屋レオンの元へ匿われることになるが、レオンは上手く少女マチルダを扱う事が出来ない。


そんな二人の関係は危なっかしいが愛おしく、この二人の日常が続くことを望んでしまうが、マチルダがレオンに家族の復讐を頼むが断られるシーンがあり、この二人の平穏を望むがそうは簡単にはならないと予感させる。


物語は殺しという題材を取って、彼らの関係を密接なものに変えていく。訓練シーンなど本当に愛おしいものばかりで、なんとも言えない。これがいいのか悪いのかわからないままそうして、物語は佳境に入りマチルダの復讐が始まる。

 

ここから怒涛の展開が繰り広げられ、銃撃戦の真っ只中をレオンはくぐり抜けていく。命を張った復讐というよりも、マチルダを守るための戦いが勢いを増す。


決してハッピーエンドとは言えない物語のラストだが、見ていて晴れやかな気持ちにさせられる内容になっている。


チルダには今後未来が待っている広がった終わり方をしており、それだけでレオンという人物がいたという意味がある気がする。今まで生きてきた意味を探していた人物がやっと本物の愛情に目覚めたと言える。そしてそれを受け入れてくれる存在に出会った。

 

また、少女役のナタリー・ポートマンがあまりにも美しく、少女と女性の中間地点で性を感じさせない一種の美しさを放っている。

 

また、レオンの大人だが、ただ年をとっただけと自虐する風体がなんとも言えない。本当に実在感を演技で作り出していた二人だった。

 

ハードボイルドな作品の入門編としてあげられることの多い本作だが、あの姿形は確かにカッコいい!真似したくなる仕草が良い味わいを出している。牛乳を飲むところから始めてみようか?少しはカッコよくなるだろうか?