HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

勝手に震えてろ 古傷をえぐる「痛い」作品

こんな奴らは勝手に震えてろ……

とは、ちょっと言えないぐらいには感情移入させられた。というより主人公の絶妙のリアリティラインが素晴らしい作品。

顔とスタイルは確かに、一流だが、行動というか思考は完全に「普通」の女性だった。

タモリ倶楽部があるから飲み会に行きたくなく、服装はある程度見られる程度だが、だらしなく、一人暮らしはほどほどに侘しい。そう至って「普通」だ。

確かにこの作品のキーである中学校から好きだった、「空想彼氏の一君」は一見奇妙かもしれない。けれどこれを「アイドル」や「俳優」や「歌手」なんかに置き換えれば別に違和感はない。

実際10年くらいそういう人たちの追っかけをしている人なんかゴロゴロいるだろう。

そんな主人公がある日突然、仕事場の「二」というあだ名の男性から告白される。
この「二」というあだ名が本当に絶妙で、まさに主人公にとって『ニイ』なのだ。
正直、いい人だし、告白された事は嬉しいけど、付き合うのはちょっと……という感覚がありありと伝わってくる。

しかし、この後主人公は空想彼氏の「一」と「二」との間で揺れ動いていく……

原作の独白的な語り口から、かなり映画的な語り口に主人公が変更しているが、「そこ」が崩壊する瞬間はまさに映画的で素晴らしい。

 

ここからはネタバレになるからあまり書けないが、最後の電話でのメッセージシーンからの現実と空想の選択……

 

心地の良いラブコメディでは決して無いけれど、私には「古傷」をえぐる名作だった。

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