HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

猫という生き物の気高さ「私という猫」

猫という生き物は本当に不思議な生き物で、狡猾で、残忍で、それでいて愛らしい不思議な気質を持っている。それゆえに、猫漫画なるものはこの世の中にはたくさん存在している。

 

そのうちの一冊を紹介しよう。「私という猫」作者「イシダ電

f:id:HAL8192:20180312140915j:image

この本は「野良」達の一生を描いている。

猫の世界は、とても単純ではなく、ヒリヒリしたリアリティで語ってくる。

 

語り口も特徴的で、人である私から、猫である私とを比べながら描いていく。簡単にいうと始まりから、「もしも私が猫だったら、とっくに死んでいる」と始まる。

 

数年の命しかない私。

飢えと寒さと自由の中で、懸命に生き残ろうとする野良には、美しさすら感じる。

 

この切れ味鋭い語り口が共感を生んでおり、猫の感情を上手く表現している。というか猫好きならたまらない描写が連発する。

 

ただ、その一方で「野良」である事の厳しさや辛さが丁寧に描かれている。本当に厳しいシーンもある。

 

また、母親になるという事の猫目線は観客を徹底的に突き放した内容で、これまた素晴らしい。愛している我が子を「野良」だからという理由でいなくなってしまう事もあるのだ。

 

また、「野良」というのにはボスがおり、そのボスの下で子供を作っている。故に、このボスというポジションはいつも狙われ、なんとも言えない、儚さを持っている。

 

また、「捨てられ」の問題や「飼われ」の扱いの難しさなど、かなり深いところまで、言及している。

 

テーマ的な問題から正直、猫好きには是非読んでもらいたい一冊になっている。

 

また、続編の「私という猫 呼び声」ではさらに深く、人間と猫の関わりについて語っている。

f:id:HAL8192:20180312143417j:image

特に、「飼われ」でもないのに媚びを売る猫が、どんな運命を辿るのか……

そこまで、見せてくる。

 

また、後半のまさに「野良」の現実的すぎる部分では残酷なほどの書き込みがされている。

 

とにかく総論としては現実の「野良」の世界を圧倒的な説得力で描き切った作品だという事だ。是非一読してほしい。