HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

色と心「カラー・オブ・ハート」

設定は1958年舞台の白黒テレビドラマの世界に、性格が正反対の双子の兄妹が入り込んでしまうといった作品。

カラー・オブ・ハート

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この設定はとてもコメディ的で、実際序盤は旧アメリカ社会の中でドタバタを繰り広げるといった内容になっている。

 

テレビドラマの中というシュチュエーションからくる一種の馬鹿馬鹿しいコメディが面白い。

 

ただテレビドラマという一種守られた世界に、性や暴力や思想が入り込んでくる。それを白黒の画面に「」として表現する。

 

その映像的な美しさは本当に素晴らしい。

一輪の薔薇が赤く染まる事が、「」といった具合に。

 

また、要所要所でアメリカに実際にあった思想的な出来事を作品の至るところに散りばめられていて、とても奥深い作品に仕上がっている。

 

例えば裁判のシーンは色を用い実質的に黒人問題をオーバーラップさせるといったように。

 

完全にコメディ作品とした序盤からどんどん世界は「」に侵食させられ、真っ当というか少しレベルの違うほどのドラマを見せつけてくる。

 

近代アメリカの歴史をある意味挑戦的に表しており、Tシャツのアイロンの焦げのようなどうでもいいようなものを一種のシンボルにするなど面白い試みも行なっている。

 

特に、色のつき方の法則性がなんとも言えず、個人的には大好きだ。

 

またこの作品のテーマはラストの「」をどう扱うかだと思う。

 

この涙を拭き取れるようになった事が成長した証拠だが、それは彼女を認めるという事で、とても奥深い内容だと思う。

 

総論としては設定の奇抜なコメディ作品になりそうだったが、どんどんアメリカ史をなぞりながらシリアスに向かっていく。絶妙なバランスの上で、成り立ったラストは素晴らしい。

隠れた名作なので、是非鑑賞してほしい。

とても余韻が残る作品になっているだろう。