HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

少女たちの実話「そうして私たちはプールに金魚を、」

核弾頭が降ってくることと、私がダラダラ生きていく事は一緒だと言っているような映画。「そうして私たちはプールに金魚を、」

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2012年の夏、埼玉県狭山市にある中学校のプールに400匹の金魚が放たれた。犯人は4人の女子中学生。「キレイだと思って」と供述した4人の15歳の少女たちがプールに金魚を放った本当の理由とは・・・!? 実際に起きた事件を元に、少女たちの心情を斬新な視点で切り取ったスピード感あふれるショートフィルム。アイス、部活、祭り、ゾンビ、ボーリング、自転車、カラオケなど記憶を刺激するモチーフの連続で、観る者の想像を裏切り続ける25分間。引用元 公式サイト様から

 

実話を元にした青春ストーリーなのだが、訴えてくるものは虚しさでしかない。たとえ夜店の金魚屋台から25Mプールに逃げ込んでも人生は変わらない。

 

意味のない無価値な人生で、「そこそこ幸せ」な私たちが、ただなんとなく綺麗だと思ったからという理由で、25Mプールに金魚を放した馬鹿げた実話をベースにした変な話。

 

作品全体の空気感はとてもキッチュで、露悪的なほど、嫌らしく現実を見せつけている。またキャラクターも「名前」なんていらないと予告編でいうほど、一般化されていて、個性的ではないが、どこにでもいそうな雰囲気をしている。

 

結局、なんの意味もない、核爆弾で主人公の住んでる町が吹き飛べば変わるかもしれないなんて台詞もあるけど、このどこか安定して守られていて、どこにもいけない窮屈なこの子達は、世界に惰性で愛されているんだと感じた。

 

それでも「どこか」に行きたい私たちは、まるで希望を託すかのように金魚を放してみたけれど、それは案外美しくなくて、どこにも行けない自分たちととても対比的に見える。

 

25分の中に「まあまあ」幸せな青春は映るけれど、切迫感のない惰性的な終わりも見えてきているようにも感じられる。

 

結局、なにもかもが、窮屈で仕方がない現実を変えたくて変えたくて、行った行動なのに、何一つ変わることのない「私たち」を見つめ直す結果になっている。

 

総論として、逃げ場のない田舎町のどこにも届かない、届かせるつもりもないSOSのような映画だった。

 

それと、公式からインターネット公開されているので、できれば是非。