HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

愛よりファミチキ「さよならガールフレンド」

コミティアでの見本誌読書会第1位を取った作品。「さよならガールフレンド

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表題作含め計6作品掲載されている。

どれも女性の心の機微を表した、コミティアっぽい作品で、確かに面白い。一本だけ女性主人公ではない作品があるが、それもテーマは一貫しているように思う。

 

特に表題作の「さよならガールフレンド」は恋人の意味ではなく、周りからビッチ先輩と嘲笑される女友達の事。

 

このビッチ先輩のどこにも居場所のない田舎特有の空気とそれに伴う達観がなんとも言えない。それを適当な男達で癒している退廃的な空気感もキャラクター性にあっている。

 

このビッチ先輩とのやり取りが物語の主軸なのだが、娯楽もなにもない田舎街に唯一面白いものを見に行くとして、巨大な工場を見に行くシーンがある。

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ここの巨大怪獣の血管のような造形で、無機質な工場が町を焼き尽くすと言う妄想を繰り広げられ、馬鹿な夢と言い合うのがなんとも行き場のない感覚を表現している。

 

ここで、主人公がビッチ先輩とは「自分が男だったら絶対にやらない」と断言してケラケラと笑われたあと、モノローグでビッチ先輩に対しての好意が語らる。

 

ラストは田舎町からビッチ先輩を置いて東京へ旅発つところで終わるのだが、ここの飛行機から見た田舎町と工場のあまりの小ささとビッチ先輩のメールがなんともビターにこの作品を彩っている。

 

この他の作品もなかなか面白く、軽く説明すると、若くなくなりつつある28歳の女性の話、10年以上続く女友達とのやり取りの話、ポエミィな鉄道でのすれ違いの話、女の子っていう称号の話、いきなり泊めてと同級生に言われる話とどれも個性的で、悪くない。(良い意味でコミティアっぽくはある)

 

総論として全体的に「女性」特有の感情を表現した内容で、独特の視点をした作品ばかりでかなり良かった。

 

それとこの作者はきっとヤンキーの女の子の馬鹿っぽいけど、どこか世界を斜に構えて見ている感じが好きなんだろうな〜