HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

喜劇的精神病院物語「クワイエットルームへようこそ」

「life is happy@loop.com」これが最後の最後に現れるから恐ろしい。家族に精神病患者がいる人にはぜひ、このトラウマ体験を味わって貰いたい。「クワイエットルームへようこそ

f:id:HAL8192:20180506042755j:image

あらすじはアルコールと睡眠薬を大量摂取してしまい精神病院の閉鎖病棟に強制入院させられてしまったフリーライター・明日香の絶望と再生の14日間を描く。引用元 映画.com

 

本作はつまるところ、精神病院に短期入院するという体験を擬似的に表している作品になっている。

 

短期入院といっても精神病院に緊急搬送された場合、社会的地位は一気に下落し、人間としての尊厳も打ち砕かれる。

 

そして、その最悪の描写を「普通」の状態の自分が俯瞰視点で追いかける様は見事。

 

個人的には、大竹しのぶさんの演技が素晴らしく、精神性や肉体性が見事だった。

それは主人公の今後の対比にもなっていて、よく出来た演技だった。

 

ストーリーそのものは喜劇的台詞回しや狂言回し的言い回しが強く、寂しさをアルコールで乱暴にかき消した後に無理矢理楽しく笑っているような印象だ。

 

そして、主人公のキャラクター性というか、一種の弱さの共感させ具合が絶妙に上手い。コミカルさとリアリティとの絶妙なバランスの上で成り立っている人間性が面白く書き出されている。(故に後半そのバランスが完全に崩壊した先が恐ろしくあるのだが……)

 

精神病院というあえて口にする事はない場所に、あえてコミカルな様相で挑み、その内面の本当に奥深い苦痛を見せつけてくれる映画だった。

 

残念というか、ここまで生きて来たキャラクターのその先はメールアドレスのようにループする可能性もきっちり書き込まれており、どうなるかわからないという厳しい現実を突きつけた終わり方は結構ツライものがあった。

 

総論としては、精神病院短期入院という一般人からすると常識を保つため、行われるギリギリの行為。すなわち「」というラインを超える行いを治療する物語として、本作はかなりキツイ現実とともに寄り添って見せた映画だと思う。