HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

父親になる瞬間「そして父になる」

父親になる瞬間の物語。

そして父になる

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あらすじは大手建設会社に勤務し、都心の高級マンションで妻と息子と暮らす野々宮良多は、人生の勝ち組で誰もがうらやむエリート街道を歩んできた。そんなある日、病院からの電話で、6歳になる息子が出生時に取り違えられた他人の子どもだと判明する。妻のみどりや取り違えの起こった相手方の斎木夫妻は、それぞれ育てた子どもを手放すことに苦しむが、どうせなら早い方がいいという良多の意見で、互いの子どもを“交換”することになるが……

引用元 映画.com


6年間育て上げた後に取り違えが分かるところから物語は始まる。


取り違え問題の病院の落ち度のお話ではないので、そこの所は少々あっさりしていたが、内容はドッシリしたものがある。


まず、主人公目線は完全に仕事人間でエリート街道を突き進む男として描かれて彼なりの不器用な父親像を歩んでいる。


反対に相手側は古びた電気屋で、けっして裕福ではないが、とてもコミュニケーション豊かな父親を演じている。


この二人、福山雅治リリー・フランキーの演技のギャップというか人間性の違いがとてもよくできていた。


逆に母親目線でこの物語を見ると夫の考えに寄り添った主人公側と主人を引っ張る妻とこちらも対照的。


また子供も主人公側のおとなしい優しい子と全く逆のヤンチャ坊主のギャップも対比的に映し出されている。


ここまで、わかりやすく対比的に配置されると親切すぎる気もするが、それぞれのキャラクターが際立っているとも言える。


物語全体は意外と期間の長い話となっていて、簡単な物語ではなく、故に終わり方もなんともいえない後味のものになっている。


特に中盤以降ある選択を決めた主人公視点からもキッチリ描かれているのが特徴的で、物語の根幹をきっちり掘り下げている。


そしてなんといっても主人公の父親になる瞬間と私が思わされたシーンは良かった。本当に主人公の口から出たある言葉は素晴らしかった。

 

この後の展開というか、エンディングの後の人生の歩み方はかなり観客に考える余地を残しているが、個人的にはこの手の映画でこれが答えだという個人的見解を強引に押し付けるよりも何倍もいいラストシーンだった。

 

総論としては取り違えという重いテーマから父親とはなんであるかを問う物語だった。簡単に言えば母親は否が応でもなってしまう物理的なものに比べ、父親という本当の意味では簡単には「なれない」ものをきっちり描いている。

そしてそのなる瞬間を描いた作品だと感じさせられた。