HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

お金はただの紙か?「紙の月」

お金があれば自由は買えるのか??

「紙の月」

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あらすじはバブル崩壊直後の1994年。夫と2人で暮らす主婦・梅澤梨花は、銀行の契約社員として外回りの仕事に従事し、その丁寧な仕事ぶりで周囲にも評価されていた。一見すると何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だが、自分への関心が薄い夫との関係にむなしさを感じていた。そんなある日、年下の大学生・光太と出会った梨花は、光太と過ごすうちに顧客の預金に手をつけてしまう。最初は1万円を借りただけのつもりだったが、次第にその行為はエスカレートしていき……引用元 映画.com


横領から始まる破綻した生活……それはニセモノであったとしても美しく輝いている。けれど、所詮は「紙」行けるところなんて決まっていて、それがなんとも破滅的で美しい。


終わりがあることが初めから分かっている中での破綻する物語はなんとも魅力的な香りがした。

 

そんな作品が本作で、「金」の持つ力がありありと見せつけられた。正直、悪いことをして幸せになる話だ。そんなの許されるわけではない。当たり前の話だ。

 

ただその当たり前を取っ払って「もしも」をやってのけたのが本作だと思う。

 

キャラクターの配置や動かし方、特に主人公の心理描写が上手く描かれているのは勿論、他のキャラクターの演出が良い。特に浮気相手の大学生の演出が良い。リアリティがあった。

 

時代設定から古臭い匂いがするが、あえてのあの時代なので、見ていると物語とリンクした崩壊した日本バブルとこれから崩壊する主人公とが見て取れる。

 

また、キャラクターの関係性が徐々に変わっていく様子は崩壊していく現状と重なり、上手い具合に表現されている。

 

また「金」の力というものの強さや有限性が目に見えて表現されているのも魅力の一つだろう。

 

好き放題に横領をする主人公は何かに追われるように生きていて、いつか来る終わりをちゃんと理解している。それが、本当に終わる日がいつ来るのか?

 

最初に語られる募金の話から、彼女の精神性が見て取れ、全てがニセモノのようだという彼女の考えもこの映画を語る上で、重要なメッセージだと感じさせられた。

 

ニセモノなら何をしても構わない。けれど、所詮はニセモノに過ぎない。そう理解しているのもなんとも言えない。

 

総論としてこの映画は「金」を手に入れたら幸せは買えるのか?という問いに綺麗に答えた内容だった。結局「紙」でしかないそれは、行けるところなんて限られていて、結局自由は買えない。