HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

1人のLGBTの死「人生はビギナーズ」

妻に先立たれた、夫がゲイを告白する物語。

人生はビギナーズ

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あらすじは38歳独身で奥手なオリバーは、母に先立たれ5年がたったある日、ガンの宣告を受けた父からゲイであることをカミングアウトされる。衝撃を受けたオリバーは事実をなかなか受け止められず臆病になってしまい、運命的な出会いを果たした女性アナとの関係も自ら終わらせてしまう。しかし、真実を告白した父は残された人生を謳歌し、その姿を見たオリバーは自分の気持ちに正直に生きることを学んでいく引用元 映画.com


コメディタッチで描かれるというよりも淡々とと語られていく。そもそも最初にゲイと告白した4年後父親が死んでからが始まりなのだから本当に淡々と語られる。


ここでのテンポのいい見せ方で父親の死亡の事実を見せてくるのは上手い。その事実に引きずられている主人公もなんとも落ち込んでいるが、勘違いしないで欲しいのは父親がゲイだったからではなく、父親を失った喪失感から来るものだ。


この映画をゲイと告白されて家族がパニックになるようなコメディ作品ではなく、しっとりとしたビターな出来栄えの作品に仕上がっている。


そして時間軸は父親がゲイをカミングアウトした後の時間軸と父親が死亡した後、ある女性と出会う時間軸が交互にやって来る。


これが、上手い具合に伏線になり、主人公の恋の手助けの役割を担っている。(主に犬がだが)


面白いのは2003年が舞台だが、LGBTに対しての偏見の目があまり感じられない仕掛けで作られている点だ。(もちろんそういう描写もあるのだが)


とにかく、この作品はLGBT以前に1人の人間が死んでいった先にあるものを描いている作品で、設定だけ聞いて想像する内容とだいぶ違う内容になっているだろう。

 

特に、周りの反応がとても温かみがあって、とても陽気な人生の終わり方を演じている。ステージ4になってあんなに元気に振る舞えるのは息子に嫌でも影響が出て来るだろう。(それが時間軸的に後半の行動に影響を与えているのだろう)

 

総論として、これはLGBT映画の皮を被った、大切な人が死んでしまった喪の儀式の映画だった。