HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

出産という重み「理想の出産」

なんて皮肉なタイトル……

「理想の出産」

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あらすじは大学院生のバルバラは、レンタルビデオ店で働く青年ニコラと恋に落ち、すぐに一緒に暮らしはじめる。やがてバルバラは妊娠するが、喜びに包まれたのもつかの間、体調や環境の急激な変化に戸惑いを感じるようになり…… 引用元 映画.com


とにかく、子供を産み育てるということのある種の残酷さが描かれている。というよりも母親というものは一種の病のようで、無理やりにでも「子供」という異物を物理的に許容しなくてはならないということがありありと描かれていた。


そこにあるのは、幸せというにはあまりにも泥臭い現実で、見ていてどんな反応をすればいいのかわからなくなる程、リアリティたっぷりに「子供」というものが描かれていた。


ストーリーは哲学科専攻の主人公が、彼氏と出会い妊娠したところから始まるが、はっきり言って、最初の主人公像から想像がつかないほどに変身していく。


理由はホルモンバランスの崩れから来るものと説明できるだろうが、妊娠というものはあまりにも不恰好な姿に変化していく様を見せてくれる。(精神的意味合いでも)


そして地獄のような出産シーン……

ああ、これは古代から伝わる拷問であり、罰と呼ばれるに相応しいものだという事を味あわせてくれる。(最悪なことにこの拷問は極度の健忘症も併発させる)


その後の展開は母は強しとはいうが、この映画はそんな甘っちょろい言葉を吹き飛ばしていく。


母は孤立し、外界から遮断され、昼夜は逆転し、ろくに眠ることは許されない。そんな日々が永遠と続いていく。


夫も頑張っているようにも映るが、姑は古今東西何処へでも敵であることは変わりないようだ。


正直、マタニティブルーという言葉を舐めていたが、これらが襲いかかって来たらと思うと並大抵のホラー映画よりもぞっとする。


だが、ストーリーはキチンとしており、破綻はなく悪くないラストに着地している。

出産をテーマにした映画としてはほぼ満点と言っていいだろう。ただ、映画的な面白さにはやや欠けていたというのも事実だ。

 

総論としてはある意味、そこら辺のホラー映画よりも恐ろしい映画体験だった。現在進行形の母親には共感されるところが多いだろう。また男性はある意味ちゃんとこういう映画も見といた方がいいと言いたくなる映画だった。ラストの着地も上手いので、割と万人に進められる珍しい「R18」映画だ。