HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

心優しい男の話「好きにならずにいられない」

心優しい男の話。

「好きにならずにいられない」

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空港の荷物係として働くフーシは、ジオラマ作りだけが楽しみという単調な毎日を送っていた。43歳独身、近所に住む少女と遊んでいるだけで誘拐犯と間違えられるような、さえない日々を送る息子を見かねた母親は、フーシにダンススクールのクーポンをプレゼントする。しぶしぶダンススクールへと出かけたフーシは、そこで1人の美しい女性と出会う。彼女へのほのかな恋心に胸をときめかせるフーシだったが、その女性は心に傷を負っていた。 引用元 映画.com


40過ぎで、太っていて、まだ母親と同居しているしがない男が恋に落ちる話。


正直、主人公の冴えない男に共感させられるかどうかで、この映画の魅力は大きく変わってくると思う。


40過ぎのただのデブと見るか、人とのコミュニケーションを取るのが苦手だが、実は心優しい男と見るかだ。


ストーリーは盛り上がりに少々欠けているが、主人公の葛藤と恋愛の模様がゆっくりと語られて行く。ここの不器用なコミュニケーションがとても見ていて本当にいじらしい。


主人公はまだジオラマを作ったり、ラジコンを自分の為に買ってきて遊んだりする大人になりきれていない人物として描かれ、職場では居場所がない。


そんな人物が、あるきっかけで、偶然ヒロインと知り合うことになるが、彼女からの誘いも上手く対応できない。


そんな大人になりきれない主人公のいじらしさが際立った演出で、それでもそこから彼女の為に徐々に優しさを発揮して行く様はなんとも言えない優しさに満ちている。

 

彼の徐々に大人になって行く過程はゆっくりとだが着実に描かれ、彼のことをまさに好きにならずにいられない。(このタイトルはちょっと失敗だとは思うが……)


物語はハッピーエンドとはちょっと言えない終わり方で、終わっているが、主人公が一歩大人になって終わったと感じた。

 

総論としてはまだ大人になりきれていない人物が、恋に落ち、少しずつ成長するという少々ありふれた内容ながら、キッチリとビターな味付けで物語を終わらせ、確かな余韻が残る作品だった。