HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

過去の栄光「レスラー」

栄光はあまりにも甘美だ。

「レスラー」

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あらすじは人気レスラーだったランディも、今ではスーパーでアルバイトをしながらかろうじてプロレスを続けている。そんなある日、長年に渡るステロイド使用がたたりランディは心臓発作を起こしてしまう。妻と離婚し娘とも疎遠なランディは、「命が惜しければリングには立つな」と医者に忠告されるが……引用元 映画.com

 


一躍時の人になっていたレスラーのお話。その栄光の20年後、主人公はギリギリのラインで生きていた。


過去の栄光を忘れることなどできない。一度、あの歓声を聞いたものは人生をそれに囚われざるを得ないとも取れる。


あまりにも悲惨な現状とそれを忘れさせてくれるリングの上。痛みなど、関係ないほどに輝かしい。


しかし、冷酷にも現実は「老い」をもたらしてくる。去るべき時が訪れる。心臓に爆弾を抱え引退せざるを得ない状況に陥る。


そんな時に彼の周りにはプロレス以外何もない。娘さえも遠くに去っていっている。


そこでの現実はあまりにも惨めで、栄光の日々は光り輝き、今の彼の現状をあまりにも暗く写す。


それでもなんとか現実に居場所を見つけようとするが、プロレスしか人生でやってこなかった男にはそんなこと出来やしない。スーパーの店員なんて彼のリングという居場所から最も遠いところだ。


そして、本当に命を削って、もう一度リングに登ろうとするが……


この作品は現実とリングどっちが彼にとって大切かを見せつけてくる内容だった。

八百長だとかなんだかんだとケチをつける人にこそ見てほしい一本で、とてもそんなこと言えなくなる作品だった。


ただ、最後の選択はある意味彼の夢で、現実のファンとしてはその選択はどうなのか考えてしまう内容に仕上がっていた。

 

総論としては一度、本物の栄光を味わった人間はその栄光を忘れることなどできないと痛感させられた。そして、それは命よりも重いもので真の居場所になっている。たとえ血まみれでも、現実の方がよっぽど苦痛なのだと見せてくるのはなんとも言えない。