HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

鮮やかな色合い「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」

あまりにも鮮やかな色合いの画面。

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

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あらすじは定住する家を失った6歳の少女ムーニーと母親ヘイリーは、フロリダ・ディズニーワールドのすぐ側にあるモーテル「マジック・キャッスル」でその日暮らしの生活を送っている。周囲の大人たちは厳しい現実に苦しんでいたが、ムーニーは同じくモーテルで暮らす子どもたちとともに冒険に満ちた日々を過ごし、管理人ボビーはそんな子どもたちを厳しくも温かく見守っていた。そんなムーニーの日常が、ある出来事をきっかけに大きく変わりはじめる。引用元 映画.com


主人公は夢の国の片隅の安モーテルで暮らす親子の物語。この親子が本当にその日暮らしの貧困層で、とても苦しい現実を生きている。


しかし、映画はそんな現実などまるで無視するかのように娘ムーニーのヤンチャなイタズラの風景を映し出し、あたかもここにはここでもある一定の幸せがあるのではないか?と思わせてくる前半を繰り広げる。

 

ここでの子役演出や子役を使った独特の視線は素晴らしいものがある。とても色合い鮮やかでいて、物語の伏線となる場面もきっちり用意されている。


ただ、そこには、ただ無視しているだけで、とても現実的な苦しみが迫って来ている。その現実はとてもゆっくりとただし着実に親子の関係を崩して行く。

 

例えばお風呂のシーンが分かりやすいだろう。なぜ一人で入り、爆音の音楽が流れているのか分かりたくない現実がそこにはある。

 

母親は最底辺の人間として描かれ、人間として救いようがないが、娘への愛情は確かに感じさせる。


夢の国のすぐそばで、直面したくない現実はどうしようもなく襲いかかってくる。それはもうどうしようもない事で、逃げ場などない。


そこに最後の飛躍、正直言葉が出なかったが、夢に逃げ込んだと捉えるか、それとも周りにいる全てが夢になってしまえばいいと思っての映像なのか分からないが、ここだけある意味特別な映像手法で撮られており、開かれた終わり方だった。

 

総論としては子役の可愛らしさとそれに対比するような現実が酷く醜く見える作品だった。映像の美しさ、一枚絵での素晴らしさがより現実を暗く照らしている。ラストのシーンは解釈が分かれるだろうが、この映画らしい終わり方でよかったと時間が経ってから思えた。