HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

林業なめるな「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」

なめてかかると痛い目見るいい映画。

「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」

f:id:HAL8192:20180706024329j:image

大学受験に失敗し、彼女にもフラれて高校を卒業した平野勇気は、林業研修プログラムのパンフレットが目に留まる。その表紙でほほ笑む美女につられ、ケータイの電波も届かない田舎の神去村で林業の研修に参加することになった勇気だが、想像を絶する現場の過酷さに、早くも逃げ出したくなる。しかし、パンフレットの美女が村に住んでいることを知り、そのまま田舎暮らしと林業を続けていくことを決意するが……

映画.com


完全に、日本の悪いところが出てる作品だろうなぁと思っていたが、それがどうした、なかなかにしっかりしている。


というよりも細かい馬鹿なジョークやダメな日本的コメディ演出がないわけではないが、それ以上に林業というものをしっかりと腰を据えて見せてくれるから素晴らしい。


この適当に決めた林業というものの奥深さを画面全体を使って見せているし、本物を切り倒し植林している。この実在感は流石と言わざるを得ない。

 

また林業というものの性質上、100年単位での間伐を行い続けるという途方も無い作業の末、受け継がれて行くこの工程はいやなんとも素晴らしい。(日本国内でよくこれだけ撮影できたものだ)


また、主人公のイマドキの若者という分かりやすいキャラクター造形が徐々に変化し、ひとりの山の男に変わって行くのがいい。


単純明快なストーリーテリングながら、本当に、抑えるところは抑えてあってそこが良い、また主人公の動機がヒロインにあるがこのなんとも言えない関係性が自分の中では好みだ。


そしてラストの祭り。

信仰だからこそ、あそこまで直球に表現できる素晴らしい表現。笑わせてくれる。また、一部CGを使っていたようだが、あのサイズの木を切り倒すだけで、物語的に強烈な迫力が生まれる。


その後の主人公の選択は蛇足と言えなくもないが、パンフレットのワンシーンがこの作品の主題と繋がるため、ある意味良かった。

 

総論としては、なめてかかると結構痛い目を見る映画だった。たしかに中盤まで、お仕事映画としてのクオリティはなかなかで、それでいて林業というものに真剣に向き合い、ある意味笑ってしまうが、五穀豊穣の証であるラストシーンはたしかに理屈には叶っている。ひとりの青年の一年の物語だが、それにしては無難にそれでいて敬意を持って描けていたと思う。