HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

不思議な夏の物語 「ペンギン・ハイウェイ」

不思議な夏の物語。

ペンギン・ハイウェイ

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あらすじは毎日学んだことをノートに記録している勉強家の小学4年生アオヤマ君は、通っている歯医者のお姉さんと仲良し。お姉さんも、ちょっと生意気で大人びたアオヤマ君をかわいがっていた。ある日、彼らの暮らす街に突然ペンギンが現れる。海もないただの住宅地になぜペンギンが現れたのか。アオヤマ君は謎を解くべく研究を始めるが、そんな折、お姉さんが投げ捨てたコーラの缶がペンギンに変身するところを目撃する。引用元 映画.com


完全に森見登美彦ワールドの作品で、その世界観は圧倒される。普通、ある日当然、街中にペンギンが出現したらなんて考えないし、それを面白い話として広げることなんて出来ない。


この作品はかなり突っ込んだSF作品で、抽象的なメタファーがかなり出てきてる作品でペンギンとは何か?ジャバウォックとは?お姉さんとはと考えさせられる。


それ自体の考察も楽しいが、主人公のアオヤマ君の物語内での考察が非常に面白い。小学4年生とは思えないほどの冷静沈着な目線で書かれた内容は物語を前に進めて行く。


とにかく、このアオヤマ君という人物が非常によく出来たキャラクターで、頭脳明晰なんだけれど、まだまだ少年の魅力も残しつつ語られていてとても愛らしい。


また、不思議なお姉さんも大人っぽい仕草からアオヤマ君をからかったような仕草など、表情豊かで魅力的だ。(そしてある部位も大きくて魅力的だ)


その他にも登場するキャラクター達は皆、魅力あるように描かれている。特にジャイアニズムを見せつける鈴木君などは非常に良いキャラだった。


そして話運びは正直、観客に完全には理解させる気はない作りで、ここを楽しめるかどうかはかなり評価に関わって来る点だと思うが、個人的にはそれが本作の魅力の一つだと言えると考える。


作画は異常なほどに凝っており、微細で繊細で綺麗だ。特に「海」の水表現は非常に良い出来だったと言える。


少年の成長譚としてもキチンとしている作りであるし、魅せてくれるラストシーンは成長を感じさせてくれる。


あと、もちろんのことながらペンギンが主役の作品のため、異常なほどプニプニしており、非常に可愛らしい。

 

総論としては森見登美彦ワールドについて行けるかどうかになって来ると思う。あまりに不思議な話な為、それを面白いと見るかどうかの許容度で決まって来る。あと、ロジック優先で考えて見ると無茶苦茶に思えるかもしれないが、その破綻ギリギリが面白さだと感じられたらかなり楽しめる作品だと思う。