HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

耽美なエロス溢れる作品。 「お嬢さん」

耽美なエロス溢れる作品。

「お嬢さん」

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あらすじは1930年代、日本統治下の韓国。スラム街で詐欺グループに育てられた少女スッキは、藤原伯爵と呼ばれる詐欺師から、ある計画を持ちかけられる。それは、莫大な財産の相続権を持つ令嬢・秀子を誘惑して結婚した後、精神病院に入れて財産を奪い取ろうというものだった。計画に加担することにしたスッキは、人里離れた土地に建つ屋敷で、日本文化に傾倒した支配的な叔父の上月と暮らす秀子のもとで、珠子という名のメイドとして働きはじめる。しかし、献身的なスッキに秀子が少しずつ心を開くようになり、スッキもまた、だます相手のはずの秀子に心惹かれていき……引用元 映画.com


単純なエロスを描いたゲスな作品ではなく、よりグロテスクなそれでいて耽美なエロスを描いた作品。


三幕構成になっているが、見事に話がひっくり返り変える作りになっている。ミステリーものとしてもとても良い作りになっている。


お嬢様の財産を巡って、話は進むがこのお嬢様がとにかく曲者に仕上がっていて、話が進みたびに前半では謎だった部分が徐々に明らかになっていく作りは圧巻。


それでいて伏線の張り方は見事で、第一幕で示された出来事が徐々に伏線となって分かっていく作りなんかは最高。次々に謎が解けていく快感とグロテスクなものを解き開いてしまう背徳感がたまらない。


エロスの部分は物語を推進させるためのフックとなる部分で、確かに成人指定をかける内容であるが、愛憎渦巻く心情表現としての方がより強い。それを目当てに鑑賞するには物足りない出来だろう。


それでいてキャラクターごとの心理描写は目を見張るものがあると言うか、あるキャラクターから見たあるキャラクターがどういう風に見えるのかと言うのが綿密に計算されて作られていて、非常に奥深い。


それのせいでお嬢様のキャラクター造形が視点によって非常によく変わるのも面白いポイントだ。特に第一幕で見える目線では全く彼女の全容が見えていない。


また、観客に第一幕でメイドの視点から見せ始める事によって、この物語の真の意味がまずは隠されたところから始まるのも面白いところだ。


唯一の欠点は本作は朝鮮を舞台にしているが、日本語で喋るシーンが多々ある。それを朝鮮の俳優さんが演じているので、上手く聞き取れないシーンが多々ある事だ。(ここにも字幕をつけてくれれば良かったのに)


とにかく単純な成人向け作品ではなく、三幕構成を非常に上手く使った作品だった。

 

総論としては成人指定作品である事と日本語が聞き取りづらい事を除けば、本当に素晴らしい良作だった。成人指定だからこそできるエロス表現とそれでいてミステリアスな物語。全てが綿密に組み合わさって非常に耽美な作品に仕上がっていた。