HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

戦争映画に名を刻む一作。 「ハクソー・リッジ」

戦争映画に名を刻む一作。

ハクソー・リッジ

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あらすじは人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊でもその意志を貫こうとして上官や同僚たちから疎まれ、ついには軍法会議にかけられることに。妻や父に助けられ、武器を持たずに戦場へ行くことを許可された彼は、激戦地・沖縄の断崖絶壁(ハクソー・リッジ)での戦闘に衛生兵として参加。敵兵たちの捨て身の攻撃に味方は一時撤退を余儀なくされるが、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たったひとりで戦場に留まり、敵味方の分け隔てなく治療を施していく。引用元 映画.com

 

とてつもない名作だが、同時に戦争映画としてとてつもない矛盾を抱えた一作。


内容は主人公が銃を持たず、殺さず衛生兵として仲間を救う事によって戦争に立ち向かうという実話の物語となっている。特出すべき点はとにかく戦闘描写が狂っている程に恐ろしく、戦場には死が満ち溢れている。


それ故に、主人公の狂信的な信念が戦場の中で光り輝く。その恐ろしい執念が人々を救って行く様はカタルシスを生む。


しかし同時に大きな矛盾を感じさせる。たとえ救出、救助という方法を取ったとしてもこの行動は戦争を助長させる事に過ぎない。つまり自分は拳銃を撃たないが、周りに撃たせる可能性を上げているに過ぎない。ここに矛盾を感じさせられた。


自らの手を汚さない為、などそんな甘い理由ではないのは見ていれば分かるが、自分の行いもまた巡り巡って戦争に加担しているというこの現実が正直上手く受け入れられない。(この部分を作り手が、観客に訴えている部分なら大成功だが・・・)

 

この矛盾こそ彼の苦悩であり、映画全体を通して見たときに感じる壮大な違和感でもある。この問題をどう受け取るのかということがこの映画の鍵になってくるだろう。


ともかく、一つの信念を貫き通す一人の男の物語として素晴らしい出来であるのは事実なので、素晴らしい出来栄えではある。尊敬に値する人物でもある。

 

けれど、やはり完全に肯定する事が出来ない人物でもあるのが、この映画の苦い所になっている。

 

総論としては戦争映画として素晴らしい出来栄えであり、優れた人物を撮った映画である。しかしその信念に矛盾のようなものが感じとられる事が最大のこの映画でのキモであって、その部分をどう受け止めるのかが重要になってくる。