HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

破壊衝動に身を任せて…… 「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

破壊衝動に身を任せて……

「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

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あらすじはウォール街のエリート銀行員として出世コースに乗り、富も地位も手にしたデイヴィスは、高層タワーの上層階で空虚な数字と向き合う日々を送っていた。そんなある日、突然の事故で美しい妻が他界。しかし、一滴の涙も流すことができず、悲しみにすら無感覚に自分に気付いたデイヴィスは、本当に妻のことを愛していたのかもわからなくなってしまう。義父のある言葉をきっかけに、身の回りのあらゆるものを破壊し、自分の心の在り処を探し始めたデイヴィスは、その過程で妻が残していたメモを見つけるが……。 引用元 映画.com


伴侶の死亡という、ショッキングな始まりから始まるが、それに対して主人公はまるっきり感情が動かない。


むしろ気になるのは、お金を入れても出てこない自動販売機のお菓子の方だ。それで、自動販売機メーカー宛にクレームの手紙を送る。しかも明らかに不必要な今の自分の現状と共に……(心情変化と共に不思議なクレームを入れ続ける)


その後の彼は本当に変人へと変わっていく、自宅の冷蔵庫を分解した事を皮切りに、会社ではトイレ・パスコンを分解したり、お金を払って工事現場で解体作業をしたりと無茶苦茶だ。


しかしそんなある時、深夜2時に自動販売機メーカーから電話がかかってきて、物語は動き出す。この電話係の女性があの手紙(計4通)を読み涙を流してついこんな時間に電話をかけたのだという。


そしてこれをきっかけにこの女性と交流を深めていく事になる。ここでこの物語がいいのが、性的な関係にはならない事を常に提示している事だ。ここがとても重要、本作の意味を履き違えつ可能性があるから。


彼女には愛のない夫と息子がいるが、この息子が憎たらしいが可愛らしい。(中学生くらいか?)


そして、主人公はフラフラとこの息子としてまわる。息子が停学中なのをいいことに拳銃を撃ちにいったり、その的に自分が防弾ベストを着込み本当に撃たせたりしてみせる。これには自己破壊願望も少し見えた。(物語の途中にキッチリ軍の中古品を衝動買いする話があるあたり脚本がしっかりしている)


さらには、自分の家(高級住宅)を息子と2人でホームセンターで買い込んだ道具を使って壊しまくる。自分たちの「結婚」を壊すと言って……


そして、最後の妻とのお別れパーティの時に、ある衝撃的な会話をする事になる。


この後の終わり方が、とても切なく、ここでは書いてない色々な伏線を綺麗に回収していく。ビルの爆破、メリーゴーランド、そして駆けっこ……


中盤まで、主人公は完全に変人だが、それもこれも喪失を埋めるための破壊行動で、それがなんとも言えない後味に繋がる。この破壊衝動がなんなのか最後まで、明確に語られない感じや大事な人を失ったと実感するまでのタイムラグが絶妙だと感じた。