HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

40年愛した我が家ってどんな存在? 「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」

40年愛した我が家ってどんな存在?

「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」

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あらすじはニューヨーク・ブルックリンのアパートメントの最上階に新婚以来暮らしている画家のアレックスと妻のルース。眺めも日当たりも良く、最高の物件なのだが、エレベーターがないため、アレックスも年齢的に5階までの道のりがきつくなってきた。そんな夫を気遣い、この部屋を売ることを決断したルース。妻の考えに承諾したものの、本当は家を売りたくないアレックス。結局、部屋は売りに出すこととなり、内覧希望者も殺到するが、内覧日の前日に愛犬ドロシーが急病にかかり、さらに近所でテロ騒動が勃発。2人は予測不可能なとんでもない週末を迎えることとなる。   引用元 映画.com


40年間過ごし続けてきた我が家を売るというシンプルな物語。主人公夫婦はエレベーターのない5階の眺めのいい部屋に住んでいるが、年のせいで、エレベーターのある部屋に引っ越そうとする。


あまりにもシンプルだし、物語もなだらかなのだが、主演の二人の人物造形が本当にリアリティあり、40年間連れ添った熟年夫婦を演じ切っている。ここの演技力が抜群に上手い。


小言の言い合いやじゃれあい、細かな仕草のソレが本物に見える。さらに犬の描写が本当に良い。犬も年をとって階段が登りにくい感じやある事件に巻き込まれてからの主人公夫婦の対応も暖かい。(結構凄い事言ってのけてるのも愛情を感じる)

 

また、本当に小洒落た家に住んでいて、夫のアトリエの姿は他人から見たらガラクタの山かもしれないが、たしかにとても眺めは良い。また、主人公夫婦の過去回想が時折挟まれるが、出会い方、惹かれ方、人種の問題、そして子供といった大きな問題を過去をゆっくり思い出すように語るのも部屋の歴史のようで良い。


内見をして、正直売りたくない夫が自宅を一瞬他人にじろじろ見て回られるのもなんとも不快な感じがして良い。(テレビを見てるゲストに邪魔だと言われる肩身の狭い感じが良い)


また、主人公夫婦の新たな家探しも繋がっていて、再出発というテーマにもなっている。しかし、愛着のあるあの家をどう扱っていいのか本当に翻弄する姿が見事だ。


最終的には時間との駆け引きにもつれ込み、問題が起こりに起こる。(ここで結構重要な台詞が飛び交っている)


そして最後の決断だが、ちょっとそれは反則のような気もするが、これはこれで伏線も貼ってあったし、なんだかんだうまくまとめている。


落ち着いて見れる良作といったところで、ほっと一息つけるような映画だった。特に主役の二人の現実感は素晴らしい。