HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

テンプレート異世界冒険もの児童文学版 「バースデー・ワンダーランド」

テンプレート異世界冒険もの児童文学版

「バースデー・ワンダーランド」

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あらすじは誕生日の前日、自分に自信がない小学生の少女アカネの前に、謎めいた大錬金術ヒポクラテスとその弟子ピポが現れる。自分たちの世界を救ってほしいと必死で訴える2人に無理やり連れて行かれたのは、骨董屋の地下室の扉から繋がるワンダーランドだった。不思議な動物や人が住むそのカラフルな世界は、色が消えてしまう危機に陥っていた。ワンダーランドを守る救世主にされてしまったアカネは大冒険を繰り広げ、やがて人生を変える決断を迫られる。引用元 映画com


まず褒める所から、絵の色彩は綺麗だし、色鮮やかな世界観は良い、好みは分かれるだろうがキャラクターのデザインも悪くない。つまるところ絵の魅力「は」ある作品だった。


逆に言えばそれ以外は本当に凡庸。

児童文学の基本を抑えているが、あまりにも稚拙な内容。地球とはほんの少し隣の異世界に選ばれしものとして危機を救いに行くという物語で地下室が入り口になっているなど、テンプレートだがワクワクさせる設定はしているが、何ともぬるい。


キャラクターデザインの関係で12歳の小学生には見えないのだが、まあ言動は小学生。ここは別に構わないが、そこから成長する過程が何とも絵の雰囲気に呑まれるような描写で何とも納得できない。


また強引にこの世界に連れてきた人物が物語的に欠落があることになってしまう。ここが気にくわない。(時間で戻るとか言ってなかったっけ)


また、選ばれしものの一人旅ではなく、親戚のお姉さんとも一緒に来るのだが、これが何というか冒険というよりも旅行に行っているように見えてくる。精神的に傍観者というか俯瞰者で、この世界の危機に本当に鈍感になる。マスコット的な小人も可愛くて良いが、それ以上ではない。


本当に異世界「旅行」を楽しむだけで、大した事は起きない。


悪役側という方もスケールが小さく、脅しで傷つけるような事はやるが、本気で流血沙汰にはならないし、最序盤から登場して何となく小物感がある。猫っぽいマスコット部下を連れているのもそのせいか……


また、この世界では場所によってかなり季節が変わっているようで、車で一日走れば冬から春になるような世界観で、結構不思議。(魔法も錬金術蒸気機関もある)


そこで、このお話のテーマというか蒸気機関を手に入れても科学的に進歩しなかった世界としてこの世界は語られるが、これを現実は汚染されているという簡単な問題に置き換えてしまうのはちょっと好きになれない。(そういう意図でなくてもそういう風に読み解ける語り口は好きじゃない)


また、危機というものが何なのか分かってくると結構無理やり解決させるシーンにつながり、正直微妙。


誰だって自分の命がかかっているような仕事を前にして、それもまだ少年と言えるものにこの責任を任せたならこうなっても仕方ないだろう。(駄目押しもある)


そして、時間問題。まあこれは良いです。

タペストリーを見たミドリお母さんが何とも言えない感じで……(つまり前の選ばれしものは)


総論としては原恵一監督作品だと思って鑑賞していた身としては、無難に仕上げてきたというか記憶に残らない内容かつ突っ込みどころもある少し残念な作品でした。