HAL8192のモノリス達

何故、自分がポンコツになったかを嬉しそうに語る。

大いに炎上したオチ以外の言及!「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」

大いに炎上したオチ以外の言及!!!

ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」

f:id:HAL8192:20190819131135j:image

 

1986年の第1作発売以来、シリーズを重ねて国民的RPGとして人気を誇る「ドラゴンクエスト」の5作目で、92年に発売された「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を原案に3DCGアニメ映画化。総監督に山崎貴、監督に八木竜一、花房真と「STAND BY ME ドラえもん」を手がけたスタッフが結集し、オリジナルゲームの生みの親である堀井雄二が監修、同じく「ドラクエ」テーマ曲などで知られる作曲家すぎやまこういちが音楽を担当した。声優は佐藤健有村架純、波瑠、坂口健太郎山田孝之ら豪華俳優陣が務めた。少年リュカはゲマ率いる魔物たちに連れ去られた母マーサを取り戻すため、父パパスと旅を続けていた。しかし、道中での魔物たちとの激闘により、パパスはリュカの目の前で非業の死を遂げてしまう。それから10年後、故郷に戻ったリュカは「天空のつるぎと勇者を探し出せば、母を救うことができる」と書かれた父の日記を発見。パパスの遺志を受け継ぎ、冒険へと旅立つ。次々と立ちはだかる試練の数々、ビアンカとフローラをめぐる究極の選択など、リュカの壮大な冒険が描かれる。 引用元 映画.com

 

色々言いたいことがありますが、まず一言「思い出を踏み躙って楽しいですか?」


私のドラクエ5の思い出はすごろく場制覇、モンスター図鑑コンプリート、エスタークを15ターン以内クリアぐらいはやりこんでいます。正直、ツイッターで流れてくる悪評の殆どはラストのオチの部分です。ここを誰が決めたか知りませんが、多くの人が激怒するのは理解できます。


ネットで面白い例えがありました、こういうものです「私はドラクエと言う、金の卵を産むガチョウがずっと好きでした。映画を鑑賞しに行ったら、フォアグラが皿に盛りつけられていました」


言い得て妙だと思います。アレは、強制給餌させられ、肥え太った可哀想なナニカでした。ただ、本当にあのオチがやりたいなら、もっと伏線とあるキャラクターに意味を待たせて欲しかったですね。


ただ、ラストのオチ以外の部分も冷静に考えればかなりばっさりカットしてます。

コレに「言及」したいと思います。


まず始めに映画がいわゆる3DCGアニメであり「103分」と短めに作られているという事です。3DCGアニメというものは当たり前ですが、実写よりも制作時間・コストがかかりますし、作り直しも大変です。故にかなり原作を削る作業が必要になるのも理解出来ます。


ただ、本作はネットで炎上している特別なラストのため、まあまあ時間を割いているので、エンドクレジット込みで8〜10分はソコの描写に使われていると言えます。


さて、本作はドラクエ5を原作に作られており、ドラクエ5は幼年期・青年期前半・青年期後半に分ける事が出来ます。


この作品の時間配分のバランスから言えば、8分30秒〜10分・45分〜50分・25分〜30分くらいでしょうか……


最初の幼年期はダイジェストで説明されていて、箇条書きと言っても良いのでしょう。こんな具合です。


オープニング

主人公の誕生シーン

船が港に着く

船を降りるとイベント発生

(SFC版ではないフローラとの出会いのシーン)

サンタローズの村に到着

自宅に到着するとイベント発生

(ビアンカとの出会い)

パパスと共にアルカパの村まで

男の子達とのイベントが発生シーン

(お化け退治へ)

夜になるとビアンカと町を抜け出して、レヌール城に行く

親分ゴースト戦闘シーン

アルカパで約束のネコ(ベビーパンサー)が仲間になる。


というのが、ゲームの画面と音楽と共に流れます。ここはこういった省略方なのだと思いますが、映画でレヌール城での戦いが描かれていないに等しいので、背中を預けられるとかなんでも打ち明けられるとかそういった前提を押し付けられても飲み込めないのが感想です。


また、フローラとの関係は幼年期にすれ違っただけのはずですし、映画内でも描写はそれ以上は描かれていないので、10年近い年月が過ぎたのなら大目に見て名前を覚えてる程度でしょう。


あとついでに、原作ゲーム内でかなり論争のあるベビーパンサーの名前問題をサラッと片付けているのは個人的には不満ですね。(ここも描写次第ではないでしょうか)


その後、原作ではサンタローズの村に帰り、妖精の村でのイベントがあるのですが、ここはばっさりカットです。ここをカットするならサンタローズの村の風景を映画内全体で「冬」で固定する意味がミスリードと予算不足以外では理解できないです。


ここで、ダイジェストは一応終わるのですが、ここまでの表現とオチとエンドクレジットの時間を差し引き残り「約90分」

これでゲーム一本分を表現しないといけないので、かなり強引な原作改変のせいか、全体的にテンポが早いというか、ダイジェスト的です。


ここからようやくスタートという具合ですが、ラインハットに向かったと思ったら、ラインハット城の外でヘンリーが拐われます。(ここで重要なのはラインハットという国を描かないということで、原作を短縮しているので、弟のデールや義母のお后様の存在が映画内ではいなくなっています)


その後、かなり早回しで、ゲマとの戦いが描写されますが、ジャミとゴンズは適当にやられます。


ここで重要なのはゴールデンオーブが砕けるシーンがない事とドラゴンオーブという名前に変わっている事による短縮効果です。(パパス描写引っかかる遺言はおそらくオチの伏線でしょう)


ここまでで約10分。今までの事は過去の悪夢として、青年期前半に入ります。かなり説明口調でヘンリーとの会話をこなし、イベントもこなし、大神殿を抜け出しますが、脱出時にマリアがいません。助けてもいません。この映画には出ていないキャラになってます。


なんだかんだあって、プサンという人物に助けられ、ビスタ港へと向かうという映画オリジナル改変になっています。(もちろんこの人はD.ragonです)


ビスタ港からラインハットの国境周辺まではヘンリーと共に行動しますが、ここで別れ、何かあった時は恩を返すと言われ、サンタローズへ一人で帰ります。ここで原作ゲームをプレイしたことのある人はラインハットが本当に何もなかった・しなかった事になる世界だと事に気付かされます。


つまり貴族・王族から勇者が誕生するという言い伝えもなくなり、ヘンリー誘拐の理由付けもなくなり、ニセ大公のイベントもなくなり、神の塔での扉を開けるという為にマリアも必要なくなり、ラーの鏡も眠ったままでよくなります。(ただ貴族・王族から勇者が誕生するという言い伝えはないと説明のつかない事象が多すぎるので、映画内では語らないだけで設定としては残っているのかもしれません)


サンタローズは焼き討ちされた痕跡が描写されない為、本当にデールがいない世界なのかもしれません。家も埃が積もっていますが昔のまま残っていますし、本来なら洞窟の奥深くにあった手紙が原作よりも情報が多く書かれています。ここで、サンチョと再会しますが、なぜ彼はココにいるのかか、グランバニア王国には帰らなかったのかという会話はない為、原作を遊んだ人は疑問に思うと同時にサラボナに天空の剣がある事を知り、冒険に旅立ちます。(グランバニア王国がないと貴族・王族から勇者が誕生するという言い伝えが作用しなくなりますし、パパスの事をゲマが知っていた理由も弱くなり、さらに言えば映画中でグランバニアの名前を持つことを明示されているので、存在はしているはずです)


天空の盾と剣の違いこそありますが、原作どうりサラボナに向かう道中で、スライムとアルカパで助けたあのベビーパンサーの成長した姿であるキラーパンサーを仲間に加えます。ここでは原作であったキラーパンサーの仲間加入イベントがかなり変わっていて、リボンすら使いません。また、スライムの方はある意味あのオチを用意するなら伏線が弱いと言えます。


サラボナでは時系列的にはまだ大丈夫なはずのブオーンが封印から解かれて、暴れておりこの魔物を倒した者がフローラの婿になれるという改変になっています。すでに被害も相当出ており、天空の剣もブオーンの物になっているので、向かわざるを得ないという展開と同時にフローラへの想いが描かれます。(ここの改変のおかげで、指輪に絡むエピソードはなくなりますので、アンディは映画に出演する必要はなくなり、火傷を負わない代わりに出番はないです)


一度は主人公とお供でブオーンに挑むのですが、戦いに負けサラボナの宿屋に戻ります。ここで客達に「やくそう」を分けて貰おうとするのですが、誰も持っておらず、唯一持っていた女性が名乗りをあげると思うと結構ビックリな治癒効果と一緒に彼女がビアンカである事が分かり、彼女と共にブオーンに挑みます。(やくそうの長年謎だった使い方とその眼を見張る効果は驚きですが、ビアンカには映画オリジナル設定としてべギラゴン使いとして名が知れている事が描写されます)


再度、ブオーンに挑む一向は隙を突き天空の剣を奪いますが、原作通り伝説の剣らしく選ばれし者しか鞘から抜けないようで、主人公は抜けません。(ただ、コメディ表現の多用っぷりから見ると観客に本当に抜けると思わせたかったのか、鞘から抜けないにしても持ち上げたり、振り回したりは簡単に出来るようです)


そこからは映画的アクション演出で、戦い、ある論理を使って勝ちます。(ここでもちろん鍵をドロップしないので、そういったイベントはないですが、母の血を引く眼の描写はあるのでエルヘブンは映画中には登場しませんが、存在する設定でしょう)


無事に勝利したおかげで、フローラに求婚を申し込む事が出来るようになり、ビアンカに引っ張られながらなんとかフローラに結婚を申し込みます。ここで、原作なら究極の選択肢を迫られますが、映画ではオリジナル改変がなされており、フローラが了承するものの主人公の心はビアンカにあるのではないかと思い、ある魔法で姿を変え深層心理を浮き彫りにする薬を主人公に飲ませ結婚に疑問を持つか試します。(ここは尺を結構割きつつ、後の伏線になる世界を主人公に提示し、かつドラクエ5プレイヤーに納得のいく決断を描写し、無事に剣を入手し、情報も得ていると思います)


ここで、場面はサンタローズに戻り、月日の経過が描かれ、サンチョと妻と産まれたての子供が描かれます……(残念ながら、エルヘブンの血の正統血統者であり、選ばれし者の分身であり、ラインハットの王子が恋い焦がれる双子の妹はこの映画では居なかった事にされています)


赤ん坊がある程度大きくなったところで、突如としてゲマ達一向が現れます。ここは映画的な演出込みで戦闘が繰り広げられますが、どうやって見つけたのか?というか何しにやって来たのか?なぜ主人公を倒したいのか?原作と変更し過ぎてて、イマイチ意図が不明です。(一応、ゲマ達も天空の剣の行方を探していたとか、マーサの弱点である存在を利用しようとしてたとか考えれますが、原作と矛盾が生じます)


ここで、主人公はゲマに敗れ石化し、妻はゲマに攫われ、大神殿で天空人の血を引く事が明かされます。しかし、反抗的な態度故かゲマに石化されます。(ここの演出でサラッとゲマ対妻の戦いが描かれますが、ここで妻側が一方的にドラクエ5最大火力呪文を連発しているのですが、絵面的にそう見えないのですし、他作品のドラクエ世界感設定的に連発は出来ないはずなので、そこのバランスはとって欲しかったです)


その後に原作でもあった季節の変化描写で、年月経過を報せる映像が流れた後、ある場所でおそらくストロスの杖を入手し、魔物に追われながらルーラを唱える息子が描写されます。ここで、石化が解かれると同時に、杖を追って来た魔物を息子が倒す演出が壮大に描かれます。簡単に言うと天空の剣が選んだのは息子だった、勇者は息子だったという壮大な演出です。(襲って来た魔物がサイクロプス系でルーラが使える流れたはまあいいとして、ゲマ達は天空の剣ごと石化できたというのはちょっといい加減ではないでしょうか?)


そこからプサンの元に向かって、ドラゴンオーブが必要になるという展開になるのですが、幼年期の妖精イベントをカットしたおかげで、サラボナの近くの森ではなくチゾット周辺にいる事になるのですが、一人でなければ会えないという設定に変わっています。それ故に、不自然な冒険シーンに切り替わりますし、それに伴った戦闘アクションもあります。何より大人には見えない妖精という存在という設定は消えています。(ここで妖精の村と妖精の城がごっちゃになったようで、過去のサンタローズイベントは一気に消化されます)


ここでほぼ最終決戦に向かいます。プサンと共に大神殿に向かい、妻の石化を解き、ゲマ達との戦闘が繰り広げられ、天高くにあるはずの大神殿にヘンリー御一行とあるモンスターが突如として現れます。ここから先はゲマ達VS主人公達の決戦とあるオチです。(演出的に大神殿にはイブールとか他の奴隷とかいるはずだとか、どうやってヘンリー達は来たのかとかはよく分からなかったです)


オチはしたい事は理解できるので良いですが、それをする前にちゃんと原作に矛盾を生じる事なく映画してからやってください。